ART

「あなたの存在に対する形容詞」ミルチャ・カントル展/「巡りゆく日々」サラ ムーン写真展

ART

少し前に見たもののメモを見つけたので、印象を思い出しながらふたつほど。 「あなたの存在に対する形容詞」ミルチャ・カントル展 英語も"Adjective to your presence "だから、そのままですね。 ドアを開けると、涼やかな音色が波のように広がった。上方か…

21世紀の美術 タグチ・アートコレクション展

ART

岡村さんの個展の隣の会場でタグチ・アートコレクション展が開催されていた。タグチ・アートコレクションはミスミの経営者であった田口弘氏の400点を超えるコレクション。そのうち今世紀に制作された作品70点が展示されていた。 コレクター展というのは、集…

岡村桂三郎展-異境へ

ART

会場に一歩足を踏み入れた途端、異界に迷い込んだのかと思った。低いものは子供の身長ほど、高いものは4~5mほどにもなるだろうか。重量感のある杉板に描かれたモノクロームの生き物たちで会場はすっかり混み合っている。 バーナーで焦がされ、うろこ状に削ら…

生誕150年 横山大観展

ART

横山大観について語るのは、とても苦手だ。日本画家の中でも一二を争う大人気の画家なので、いままで何度もいろんな美術館で企画展が行われているし、私もわりと律儀に見に行っているのだけれど、やっぱりいまいち良さがわからない(涙)という告白から、始め…

名作誕生-つながる日本美術展

ART

長谷川等伯 松林図屏風 図(右隻) ブログをだいぶサボったせいで、どこまで遡ればよいか、そろそろわからなくなりそうです(笑)。とりあえず連休前に遡って、見たものを順次のんびりあげていこうかな。 東博の「名作誕生-つながる日本美術」は、まずはキュ…

ボスコ・ソディ "Terra è stata stabilita"など。

ART

ちゃんとまとまっていないけれど、忘れてしまう前に備忘録を兼ねて最近見たもののなかからふたつ、印象に残ったものをメモ。 ボスコ・ソディ "Terra è stata stabilita" ラテン語で「大地の確立と安定」を意味する本展のタイトルは、ローマ帝国の全盛期につ…

猪熊弦一郎「猫たち」展と「遊び」の精神

ART

いろんな猫たち 人間界にいろんなひとがいるように、猫界にもいろいろな猫がいる。わたしの個人的な統計によれば、猫にもやっぱり頭のいいのとすっとこどっこいなのがいて、頭が良く注意深い猫には、個人的に一種尊敬を覚えたりする。でも、すっとこどっこい…

ミロコマチコ いきものたちの音がきこえる展に行ってきました。

京都、佐野、長崎を巡回し、現在世田谷文学館で開催されているミロコマチコさんの個展に行ってきた。 画家であり絵本作家 実は一瞬、世田谷美術館に行きそうになりました(笑)。ミロコマチコさんの肩書きはとても人気のある「画家」であり、優れた「絵本作家…

マイク・ケリー展 DAY IS DONE 自由のための見世物小屋 に行ってきました

ART

宿命と運命 人間には宿命と運命がある、とどこかで聞いたことがある。生まれる場所、両親、性別や姿形など、自分では選択できないものが宿命だ。どんな親の元に、どんな文化のなかで生まれ育つかは、そのひとの一生を左右する。宿命は変えられないけれど、運…

谷川俊太郎展に行ってきました

書く前にじぶんに釘を刺しておきたいのだけれど、今日は短く書く。私は、残念ながら韻文的というより散文的な人間なので、どうしても文章が長くなりがちなのだ。 韻文的なひとたちの言葉は短い。素朴で、野蛮で、ときに機嫌よく飛び跳ね、いきなり激しく怒り…

坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2《IS YOUR TIME》ー7年前のあの日のモニュメント

ライブパフォーマンスの時間に着くと、すでにたくさんの人がいた。 わたしたちは暗い会場のフロアに座りこんで、若い演奏家たちがあちこちで弦楽器と管楽器を奏でながらゆっくりと歩きまわるのを聞いていた。単純なノートがひびきあいながらゆっくりと移動し…

仁和寺と御室派のみほとけ展 - 本当に1041本の手を持つツンデレ千手観音の微笑み

ART

東京国立博物館で今週末まで開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」展に行ってきました。数多い秘仏や国宝のためか、なかなかの人出。最近混んでいる企画展が続いているなあ。888年に創建され、江戸時代に再建された仁和寺および御室派の紹介は、あちこちのサ…

レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル ー森美術館は森遊園地になった?

ART

レアンドロ・エルリッヒ《建物》 2004/2017年/展示風景:「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」森美術館、2017年 /Courtesy: Galleria Continua 話題のレアンドロ・エルリッヒ展に行ってきました。1回目は1時間待ちで引き返し、平日の夜にリトラ…

光悦「熟柿」などー「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」展より - 年とともに感受性は鈍くなるは本当か?

引き続き「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」より。 昔の芸術家というのは、さらさらっと書も書けば絵も描き、陶器の染付もさっさとやる、といった具合で幅広くてすごいなあと思う。 光悦という人も、書や蒔絵などに名前がでてくる人だけれど、も…

指人形「気楽坊」と気楽じゃなかった後水尾天皇ー「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」展より

ART

冬季オリンピックに盛り上がった先週末、「アート好きのみなさんもさすがに家のテレビに張り付いてオリンピック観戦をしているに違いない」とレアンドロ・エルリッヒ展に行ったら1時間待ちだった。オリンピックを見ない都民が六本木に集結していたのだろうか…

第10回 恵比寿映像祭 インヴィジブル ー 夢と異世界と時間:【見たメモ】

ART

SIMURAbros(シムラブロス) 『まだ見えぬ映画に向かって』“Towards Film Beyond Film” 第10回目を迎える恵比寿映像祭が、今週末まで開催中。今年のテーマは「インヴィジブル」、見えないもの。いくつか印象にのこった作品をメモ。(見た順) ガブリエル・エ…

竹内都 肌理と写真 展 ー 日本を代表する写真家が撮ったあの日の広島

ART

<ひろしま>より。肌理(きめ)はgrainと訳された 写真界のノーベル賞とも呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を、日本人として3人め、アジア人女性として初めて受賞された日本を代表する写真家の一人、石内都さんのデビュー40周年を記念する企画展が横浜で…

ヴァジコ・チャッキアーニ・折笠良 ー ジョークとアートと人間の精神/自分の意志を生きる

英国では羊も行列が好き? 行列という娯楽? ブリティッシュジョークが結構好きです。彼らのユーモアのセンスはかなりドライですが、自分を笑う余裕とセンスがあって、感心してしまうことがある。定番だと、「俺たち強盗の才能があるから。大英博物館を見ろ…

日本の新進作家vol.14 無垢と経験の写真 展 2 ー 透明な視線

ART

ピンホールの穴から見えた記憶 鈴木のぞみさんは、鍵穴など生活空間の「穴」をピンホールカメラにして、窓枠や鏡などにで直接風景を焼き付けるアーティスト。そういえば、子供の頃、穴があるとついつい覗きこんだっけ。昔の家にはあちこちに穴があったのです…

日本の新進作家vol.14 無垢と経験の写真 展 感想メモ#1 義足のアーティストのセルフポートレートを見て考えた、装うことの意味

ART

写真シリーズ、小出しですが続いています。国内の新進作家たちの作品をまとめた企画展のなかから、今日は片山真理さんのセルフポートレートについて感想メモ。 服を着ること 「服を着る」というのは、どういうことなんだろうか。人間は服を着る。寒くても暑…

挫折人生が生んだ近代写真の父 ≪アジェのインスピレーション 引き継がれる精神展≫感想メモ

ART

≪Eclipse, 1911 ≫Eugène Atget, Public domain LACMA ウジェーヌ・アジェは、19世紀末の古き良きパリを記録した孤高の写真家および、近代写真の父ということになっていて、たぶんファンも多い。ちょっと恐れ多いのだけれど、企画展を見て感じたことを書いて…

不在と実在のまあいと、時間である私 ≪DOMANI・明日展≫ に行ってきました(2018)

ART

ドマーニといっても、同名の女性誌じゃありません。若い作家の作品を集めたDOMANI展に、今年も行ってきたので、一部だけだけど写真とともに勝手な感想メモ。 中谷ミチコ ≪あの山にカラスがいる≫(部分) 中谷ミチコ 去年のヨコトリの作品も印象的だった中谷ミ…

真実と意志 ≪生誕100年 ユージン・スミス写真展≫

ART

≪ カントリー・ドクター ≫ An exhausted Dr. Ernest Ceriani holding a cup of coffee, still in scrubs. August, 1948. LIFE Magazine. 昨夜は月食も綺麗だったけれど、私はUFOも見てしまったみたい。大きな光が4つ、連隊を組んで音もなくすうーっと頭上を…

へんな夢と最近見たものメモ

なんだかへんな夢を見ました。 著名なバイオリン奏者に共演者として呼んでもらえることになったのだけれど、コンサートの当日、ぜんぜん練習していないのです。それよりも何を着ていくかですごく悩んでいて、家族や友人に、「ねえ、こっちの白いブラウスと、…

元祖ミニマリスト?熊谷守一 『へたも絵のうち』読書メモ

日本経済新聞の「私の履歴書」といえば、お偉いさんの自伝が多い印象だけれど、時に芸術家や音楽家もよく書いていて、なかなか楽しい。 昨年末『熊谷守一いきる喜び』展を見て、熊谷守一の「私の履歴書」をまとめた「へたも絵のうち (平凡社ライブラリー)」…

雪の夜と霧の彫刻《グリーンランド|中谷芙二子+宇吉郎》展 /ダニール・トリフォノフTDC

雪じゃなくて霧の彫刻 昨日の東京は久しぶりの雪。駅からの帰り道、わざと人が通らない道を選んで帰った。雪国の人には珍しくもないでしょうが、なんだか嬉しいのだ。新雪が足の下できゅっと固まる感覚、雪が降り、つもっていく、ため息のような小さな音のさ…

まじめにふざけるアートの歴史とぺインターF 『小沢剛 不完全 パラレルな美術史』展

ART

なかなか凝ってる《醤油画資料館》 の受付はお留守。醤油で絵を描いているちょんまげ姿の男性は人形(当然) 小沢剛さんは、一見すごくふざけているけど、本当はすごく真面目な人なのだと勝手に思っている。真面目な人たち、大きな力、権威、組織のようなも…

2017年のベスト美術展を振り返る

ART

白いシクラメンが咲いていた 去年の話だしなるべく早く、と思いつつ、絞りきれなくて時間がかかってしまった。いろいろとメモをしたはずなのに、デジタルメモのうちけっこうな数がどこかに行ってしまった、悲しい。そして言葉にされなかった記憶は、ゆっくり…

企画展《装飾は流転する Decoration never dies, anyway》を見てきました

ART

庭園美術館の企画展《装飾は流転する Decoration never dies, anyway》を見てきました。 普通のホワイトキューブとは違って、旧宮家の邸宅だったアール・デコ建築の空間を生かした展示がいつもながら楽しみ。 今回は特に、テーマが装飾ということで、アール…

2017年一番良かった映画《デルス・ウザーラ》と、ついでに《エゴン・シーレ 死と乙女》

「かぴたーん!」「デルスー!」見た後しばらく、デルス・ウザーラごっこを楽しめて、一粒で二度美味しい。《デルス・ウザーラ》より Youtube クリスマスおめでとうございます。 昨夜は、クリスマスミサで、聖書の一節がはいった小さな箱をいただいたのです…