ラヴェルと不思議の国

デュトワラヴェル没後80年(N響) 。
オール・ラヴェル・プログラムの前半はフランス的ラヴェル、後半はスぺイン的ラヴェルラヴェルの音楽は、特に初期はドビュッシーと並んで、印象主義と言われたりもするけど(ドビュッシーは否定してるけど)、移り変わる感覚的な美しさというより、もっと骨太で、マジカルな感じだよなあと以前から思っていたのです。今回のプログラムで、なんとなく自分の中でそれを確認したような気がします。

ラヴェルは、スイス人の父とスぺイン人の母を持ついわゆる「ハーフ」なのですが、お母さんはバスク人で、本人もスペイン国境に近い、フランスバスクの生まれ。

バスクといえば、ヨーロッパの先住民族とでもいうべき、古い孤立した血統の人々です。ほとんどの人がRHマイナスの血液型で、有名な魔女伝説などの神話を持ちます。バスク語は、日本語とおなじSOV型の語順を取り、ほかの印欧系言語(SVO語順)とはまったく関係がない、んだそう。不思議な人たちです。そそるわあ(←意味不明)。昔は日本人と関係があるのでは?という俗説も(現地で)あったそうです。もちろん無関係ですが。スぺインは地域によって、文化的にも気候的にもとても個性がありますが、バスク地方は海沿いながら豊かな森に恵まれており、その森が混血を防いだという説もあり、島国に住む日本人が、やはり古い孤立した血統を保っているのと似ています。

ラヴェルのスぺイン的な楽曲を、当時のフランスでのスペインブームの影響かな、などと勝手に思っていましたが(←勉強不足)、スペインは、彼にとってのもう1つの祖国だったのですね。そう思って聴くと、スペインという国の土臭い実在感と、フランスの感覚的な実体のない感じを、ラヴェルの音楽の中に両方感じ取ることができるようで、何か腑に落ちる感じがするのです。

日本では、グルメの街として特にサン・セバスチャンが有名ですが、グッゲンハイム美術館のあるバスクの首都、ビルバオも楽しい。どちらの街も治安も割とよくて、ワインとピンチョスをつまみながら、お腹一杯になるまでバルをはしごしつつ、リラックスして過ごすことができます。(スぺインの夜は遅くはじまり、遅くまで続くのです。むふふ←)

それにしても「ボレロ」って、えんえんおなじフレーズで飽きそうなのに、すごく盛り上がるんですよねえ。ラヴェル本人も酷評だろうと思ってたら、大好評でびっくりしたとか(笑)。 ピエール=ロラン・エマールは「左手のためのピアノ協奏曲」、弾くところ初めて見たけど、本当に左手だけだった(あたりまえ、笑)。アンコールは故ブーレーズの12のノタシオンー第1.4.5.2番。彼はブーレーズと、ラヴェルのコンチェルトを録音しているのでした。

曲目:ラヴェル/古風なメヌエット組曲クープランの墓」/左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調/道化師の朝の歌/スペイン狂詩曲/ボレロ
指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:ピエール・ロラン・エマール

Ravel: The Essentials
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アルゲリッチの水の戯れから始まって、素晴らしい演奏でマジカルなラヴェル・ワールドをいいとこ取りで堪能できるアルバムです。それぞれのリンクから試聴できます。Enjoy!

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