ヤン・フードンと変化の時代

Yang Fudong(ヤン・フードン/楊福東) Colored Sky: New Women II

複数のスクリーンに映し出される、中国の若い女性たちが着ているいささかデザインの古い水着は、 彼女たちの「少女時代」をあらわしているのか、それとももっと大きな「ちょっとむかし」をあらわしているのか。

作家は、ただの「雰囲気」だというけれど、 中国の伝統的美人の顔立ちをした彼女たちが中国風の舞踏の身振りで泰然と微笑み、 西洋料理とワイングラスが乗った静物画のようなテーブルについて笑い合うカラフルな夢の世界を見ていて、今の中国の人々が置かれている急激な社会の変化に思いを馳せずにはいられませんでした。

急に、生き方さえも変わってしまったなかで、中国の上の世代は、今の現実をどんな風に見ているのでしょう。 東京の街のあちこちで見かける中国人観光客の雰囲気や服装も、猛烈な勢いで変わっています。欧州中どこも、北京語話者のグループで溢れています。

中国は変化を体現しているように見えるけれど、世界全体もまた、かつてないほど影響しあい、激しい変化の最中にあるように見えます。

すこし前にプラハで見た、アイ・ウェイウェイの難民ボートの作品(LAW OF THE JOURNEY)のことを思い出しました。現在プラハ国立美術館である、作品の展示場所は、ナチの時代、ユダヤ人のデポーテーションの場所であったそうです。最近の横浜トリエンナーレの展示でも難民がテーマでした。 写真はアイ・ウェイウェイ の<LAW OF THE JOURNEY>(プラハ国立美術館

すべてを捨てて逃げなければならない人々がたくさんいる厳しい時代、 人は自分と違う人、自分のコミュニティ以外の人々を救うことができるのか。 多くの難民キャンプは閉鎖され、先進国も含め多くの国は、経済的、社会的な負担を理由に、難民の受け入れを制限したり、拒否しています。

多様性を認める寛容さ、人を思いやる心、他人の苦難を想像する力、そして人を救おうとする善意、愛、自己犠牲。

作品は、見る人ひとりひとりの中にあるはずの人間性に呼びかけ、呼び起そうとします。

難民と移民を受け入れない国、日本から来たひとりの日本人として迫るものがありました。