2017年一番良かった映画《デルス・ウザーラ》と、ついでに《エゴン・シーレ 死と乙女》

「かぴたーん!」「デルスー!」見た後しばらく、デルス・ウザーラごっこを楽しめて、一粒で二度美味しい。《デルス・ウザーラ》より Youtube

クリスマスおめでとうございます。
昨夜は、クリスマスミサで、聖書の一節がはいった小さな箱をいただいたのですが、
なかなかぴったりしたのが入っていて、耳が痛かったです(←笑)。
いつもはお子さん方がお菓子を配られるのですが、なんだかおみくじみたい。
おみくじも、なんだか耳が痛いことが多いんですよね。
私の無意識が呼び寄せているんでしょうか?
おもしろいなあと思います。

それはさておき、引き続き#2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》
映画部門は、《エゴン・シーレ 死と乙女》と、すこしだけ迷ったのですが、
やはり黒澤明監督の《デルス・ウザーラ》を。
古い映画なのですが、70mmの特別上映の機会があったので、今年見に行ったのです。

ざっくり言うと、シベリアを調査に来た軍のエンジニアである主人公と、
現地の先住民族らしい、デルス・ウザーラの友情の物語。
老いて見えるデルスの、森に生きる者としての野性の勘や敏捷さのかっこいいこと、
そして彼の純粋な心、分け隔てなく、偏見のない深い優しさ。
西洋的(ロシアだけど)な知性と理性の世界とは真逆な彼に、周囲の人々は次第に魅せられていきます。

そして大きなスクリーンに広がる、シベリアのうつくしく雄大な自然(ちょっとおっかないけど)。
70mmで見られて、ほんとうに幸運でした。

ネタバレにならないようにこれ以上は語りませんが、
不思議に心に残る、忘れられない映画です。

何語かよくわからないけど予告編。アジア顔のおじさんがデルス

現在DVDは中古でしか手に入らない様子。

◼️ついでに (笑)エゴン・シーレ 死と乙女》

シューベルトの「死と乙女」をBGMに描かれる、エゴン・シーレの伝記映画。
シーレ役のノア・サーベトラのエゴイスティックな美青年っぷり(うっとり)に
強くてどこまでも優しく愛情深いヴァリ役のフェレリエ・ペヒナーも、すごく良い。

直後のメモをまた発見したので、追加してみます。(←恥ずかしさが麻痺してきたらしい)

・・・

映画は妹で始まり、妹で終わる。
エゴイストの画家とその周辺の女性たちの物語であること、
そして、シーレの幼い少女たちへの幼児性愛容疑が二重写しのイメージのように重なる。
女性たちはシーレを見ているのに、シーレは、芸術(目的)以外、じつはなにも見えていないのだ。
映画の中の妹は、常にひどく幼く見える。

ひとりひとりの人間にそれぞれの歴史があり、家庭が、不安が、愛があり、
ひとりひとりの弱さと強さがあるということ。
映画を見た後、街を歩くすべてのひとの顔が美しく見えたのはなぜだろう。
完全で強く、美しいひとだけでなく、弱く、平凡で、ずるい人もそれぞれの面差しを持っていて、
若い人も、年老いた人も、その中間も、すべての人が見るに値する。
街を行き交うたくさんの顔を、夢中で覗き込んでしまいたくなるけれど、難しい。
人が人を見つめるというのは、じつは異常なことなのだとすぐにわかる。
見るということは、見ることを”許される”ことなのだ。

シーレが、それほど美しくない女を妻にした時、美しい彼は、彼女のなかに美を見ただろうか?
たぶんそうなのだ、と感じた。
深く見たときに、人はみんなうつくしいから。

・・・

帰りに、ほんとうにひとの顔をジロジロ見て(笑)、みんなすごい綺麗だぁ、と思っていたのを覚えています。怪しい。

シーレは、エロティックな作品の印象がとても強くて、
この映画でもそういう描かれ方をしていたけれど、それだけの画家ではありません。
というか彼の作品のエロティックな部分、扇情的な部分に、ひとびとがひどく惹きつけられてしまい、
その結果、エロイメージになってしまっているのだと思います。
でも、性が人間の一部ではあっても全部ではないように、
「エロ」もまた、シーレの作品の一部ではあっても全部ではないのです。ほんと。
そこは、言いたいところ。

にしても最近、画家や音楽家の伝記映画って多いですね。
とっても楽しい。

◼️2017私的ベストアニメ

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