企画展《装飾は流転する Decoration never dies, anyway》を見てきました

庭園美術館の企画展《装飾は流転する Decoration never dies, anyway》を見てきました。
普通のホワイトキューブとは違って、旧宮家の邸宅だったアール・デコ建築の空間を生かした展示がいつもながら楽しみ。

今回は特に、テーマが装飾ということで、アール・デコという装飾様式の空間と、
また実際に人が暮らしたという生活空間のコンテクストと作品の関係性がなんというか、スリリング。
難しいことをぜんぶ抜きにしてもすごく楽しい展示でした。

写真可だったので、モバイルなので画質が悪いんだけど、すこしだけ紹介します。


ヴィム・デルヴォワ《ノーチラス》2013年

ゴシックという教会建築としては最高(とわたしは思う)の様式=「人工の究極の美」と
長さと幅の比が完壁な黄金比の長方形を示すオウム貝=「自然の完璧な美」の組み合わせ。
ほかにも、イスラム装飾でびっしりと覆われたリモワのスーツケースや、
美しい彫刻を施されたタイヤなど、ゴージャスで、コンセプチュアルで、セクシーな作品。

髙田安規子・政子姉妹は、前からすごく気になっていた作家。
女性らしい繊細な手仕事と感性で、幻のような世界を創り出してしまう。
今回も、ひっそりと古い邸宅のあちこちに、溶け込むように作品が佇んでいて、
作品たちは、小さかったり、目立たなくて、見逃してしまいそうなのだけれど、
気がついて、1歩近づいて、顔を寄せて見たとたん、
そこには、前から「こことは違うもう1つの世界」がずっとあって、
そして自分がその世界の中にいることに気がつく。
好きだなあ、こういうの弱いんです。女性は好きな人が多いんじゃないかな。
髙田安規子・政子 《In the Wordrobe》2017年

ほかにも、ファッション・デザイナーでもある山縣良和の「ファッション」、
ニンケ・コスターの「家具」、コア・ポアの「絨毯」のタブロー、
「窓」ごしに見える室内に触発された山本麻紀子、
アラヤー・ラートチャムルーンスックの死者の「葬い」など、
日常、ほとんど無意識に行われ続けている「装飾」について考えさせられました。

最後に山縣良和の作品の写真を
今年はもうおしまいだけど来年、いやこれから世界に飛び出そうとしている、
すべての女の子(男の子にも)へ。


山縣良和の《Before running from home》2007年春夏コレクションより

ファッション、衣類という手法で展開される山縣ワールドは
やはり、ファッション界のルールにのっとって、YYYY年春夏(または秋冬)コレクションとして展開される。
寒さや危険から身を守る以上の「装う」という過剰さ、豊穣さ。
装飾という人間の本能的な欲望について考えさせてくれます。
会場には、谷川俊太郎さんによる、作品に寄せられた詩も。

さて、わたしもお正月「飾り」を考えなくちゃ(←今の所作るつもり)。