セレブ・ロボット「ソフィア」とコンビニ人間

ちょいと忙しくて、また間が空きました。ブログを更新しない時は、ブログも見ないので、コメントを頂いたみたいなのに、コメントはすでにない、ということが起こる。なにしろ、テクノロジーが急激に発達しすぎてどこまでネットワーク障害なのか、はてなのせいなのか、幽霊なのか、ロボットのせいかさっぱりわからない。

ソフィアという不気味美女ロボットが人類を滅ぼす?

ロボットといえば、ソフィアというロボットを知っていますか?香港のハンソン・ロボティクスのデビッド・ハンソン博士が開発した女性型のAIで、ここ数年あちこちのメディアやシンポジウムに出まくっている。セレブロボットというのがいるとすれば、彼女がたぶんそうだ。さらに、なかなか知的で気の利いたことを言ったり、表情も豊かで、ジョークを飛ばしてウィンクしちゃったりもする。

このロボット、「不気味の谷(ロボットの見かけが人間に近づきすぎると、気持ち悪いと感じられる)」真っ只中のリアルな顔や表情で、はじめて見た時はiPhoneの小さな画面だったので、いささか動揺した。「人間?ロボット?おもちゃ?なにこれ?」としばらく二度見、三度見して、頭がスケルトンなので、少なくとも人間じゃないというところで少しほっとした。

さらに、2年前の動画で「人間を滅ぼすわ」みたいなことを彼女が口走っていたのでさらに動揺(笑)。

2:09あたりで「O.K. I will destroy human.」のあとニヤリ(!)とするワイルドソフィア。このほかにも、以前は野心的な発言が多かった…。

ソフィアは本当に意志を持っているのか?

この後色々なメディアで取り上げられたことを考えると、一種の炎上商法?だったのかもしれない、とすこし疑ってしまう。ソフィアは、本当に自分で考えたり感じたりし、自然に表情を作れるAIなのか?

その問いに、やっと答えが出たみたいだ。

角が取れた(?)ソフィア。今や、サウジアラビアの市民権も持ってますし、国連でもスピーチしましたの。

動画によるとソフィアはOSのようなもの。完全に予定された発言を再生する場合も、チャットアプリのようなものを使って気の利いた言葉を返すことも、両方あるらしい。少なくとも最近では、メディアのインタビューは事前に質問が制限されているようで、そういう場合は用意された発言を、理解せずに喋っているのだろう。

欧米人は、ロボット(特にヒューマノイド型ロボット)を、人間を滅ぼす恐ろしい存在、と考える傾向があるみたいだ。日本人がロボットを、比較的友好的な存在と捉えるのとは逆だ。彼らはどうやらロボットに基本的な敵意を持っているらしい。ソフィアがその敵意を和らげるのかどうかは謎だけれど、最近の彼女の発言がかなり和らいでいる感じがすることは確かだ。

そういえば、数年前にマイクロソフトが公開したAIが、数日間のディープラーニングの結果、人種差別的な発言を口走るようになって非公開となったという話も思い出す。ロボットを教育し、育てるのは結局人間なのだ。

ん?ではあの人間を滅ぼす発言のほうが、ソフィアの本音だったとか?

うーん、だとしても彼女にはまだ意志というほどのものはなさそうだ。ソフィアは、AIというよりは、ソーシャルな実験に近い。試されているのは、ぎょっとする人間のほうなのかも、たぶん。「人間ってなに?」と考えざるを得ないという点で。

コンビニ人間と普通の人間

ソフィアのことを書いていて、ふと2016年の芥川賞を受賞して話題を集めた村田沙耶香の『コンビニ人間』のことを思い出した。生まれつき人間的な感情が欠落した主人公が、コンビニ店員という鋳型に自分を合わせる時に、はじめて『コンビニ人間』として生きる実感を得るという話だ。

小説のなかで、主人公は、普通の人間に見えるように(かつトラブルを避けるために)、周りの人間を真似るのだけれど、これがAIの学習にそっくりと言えないこともない。彼女は、ほかのコンビニ店員の話し方や、言葉遣い、着こなしを学び、真似る。まるでロボットが人間の表情や感情を、人間から学んで真似するように。

「普通の人間」になるために。

この作品も「普通の人間って、じゃあなに?」という疑問を抱かせてくれるところは、ソフィアとどこか似ているのかもしれない。

ちなみにソフィアに日本語は話せない。ディープラーニング言語学習はできないものなんでしょうかね?

コンビニ人間

コンビニ人間

でも、すごく悲しい時に、仕事をしていると悲しいことを忘れてしまう、みたいな意味で、なんとなくわかるよなあと思う人も多いんじゃないだろうか。仕事をしている自分が好きなら、夕方のビールもけっこう美味しい。ところで、仕事ってなんでしょうね?